青年とメイドロボ





第2目


アンタここを住み込みの屋敷と勘違いしてないか。職場放棄だぞ、屋敷はあっち。


「だから言ったでしょう? 私はとうに放浪の身。

それから私の元・屋敷はこっちです」


根無し草ってやつかい、めんどくさい身だな。


「青年様、貴方も似たような身でしょうに」


一緒にされちゃ困る。俺には寝床がある。雨を防ぐ屋根もある。風から身を守る壁もあるのさ。放浪のほの字もないぜ。


「それだって、全部廃墟ですよ。これを世間一般では根無し草といいます」


それがいいっていうヤツもいるのさ。


「理解しかねますね、せめて温かい毛布がないと」


なら探しに行けばいいだろう。ここには当分入荷する予定はないぜ。







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