青年とメイドロボ





彼は今日もその廃墟の上で目覚めたし、彼女は今日もその廃墟にやってきた。


第1目


アンタ最近よく見るな。どこの誰だい。


「見ての通りのメイドさんですよ」


そうかい。ところでここは俺の寝床だ。勝手に入ってこられると困る。


「ところがところが、メイドさんは見ず知らずの人の命令は聞けないのでした」


ちっ、……まあいいか。居るなら居るで、俺の邪魔だけはしないでくれよ


「おや、ここに居てもいいんですか」


どうせすぐお屋敷に戻るんだろ。ご主人様がお待ちかねだぜ。


「ところがどっこい、メイドさんは放浪の身なのです」


あっそ。じゃあどこへなりとも消えちまいな。


「ところがですね、見ず知らずの人の命令は聞けないのです」


イカレメイドめ。



2へ→
オリジナル
トップ

 

inserted by FC2 system